恋は、楽しくて幸せで、そういうものだと思っていた。
もし、この恋を一つの映画みたいに振り返ったら、悲しくて、辛くて、泣いてしまう場面もたくさんあったけれど、それでも、見終わってから、あたしは笑って客席から立つことができるだろうか。
つらくて、苦しくて、でも、そんな風にあなたを思っている時間も、本当は嫌いじゃなかった。でも、嫌いじゃないけど、苦しかった。
そんな時に他でもないあなたに、抱きしめてほしかった。
すきの大きさなんて測れないし、測ろうとするものでもない。でも、あたしは、あなたと同じ気持ちでいたかった。同じ大きさで思い合って、二人で手を繋いで歩きたかった。あなたを思うが故に、あたしの気持ちが大きすぎて、重たくなっていってしまうことに気づいてしまう。
誰でもいいわけじゃなくて、あなたが良くて、でもあなたじゃあたしは幸せになれない。
あたしは、あなたのことを好きでいる気持ち以上に、自分自身のことが大好きだから。
もう少し、時間が経ったら、この映画を笑って思い出せるだろうか。温かい気持ちで、棚に仕舞えるだろうか。
でもあたしは、まだこの映画のエンドロールを流す勇気が出ずに、まだ一人で泣いている。